市販車にアルミフレームを実用

no image オフ 投稿者: SLlov7uk

アルミフレームの市販車への導入はスズキのRG250Γが初!

バイクのフレームには、大きく分けて鉄フレームとアルミフレームの2種類があります。
それぞれメリット、デメリットがあり、例えばアルミフレームは鉄よりもずっと軽いので、バイク全体の軽量化に適しているというメリットがあります。
しかし鉄に比べて製造にコストがかかるため、アルミフレームを採用したバイクは鉄フレームのバイクと比較して価格が高くなってしまい、それが大きなネックとなっていました。

そんなアルミフレームの市販車の導入は、実はスズキが最初でした。
1983年、RG250Γに採用したのが最初です。
このRG250Γは発売当初からレーサーレプリカモデルとして非常に人気が高く、まるで自分がレーサーになったような気分でバイクを運転できるととくに若い世代から評価を得ました。

そんなスズキのアルミフレームですが、市販車よりも前にすでにレース用のバイクに採用されていました。
市販車第一号のRG250Γがレーサーレプリカモデルだったのも、その延長線上にあったと言えるでしょう。

レースでは1960年代にアルミ合金フレームを採用していた!

スズキのバイクへのアルミフレームの導入時期については、1981年の世界ロードレースGP(現在のMotoGP)の500ccクラスのマシンに採用していたことがよく知られています。
しかし実際にレース用に導入していたのはさらに古く、じつは1960年代にアルミ合金を使用したフレームを開発し、レース用の車に採用していたのです。
これだけ早い時期にアルミ(合金)フレームをレース用バイクに導入していた背景には、当時のモーターサイクル業界の状況との関係が挙げられます。
1960年代にスズキは世界ロードレースGPにおいて輝きしい成績を残し、世界にその優れた性能を知らしめることに成功しました。

その鍵を握っていたのが、「ボディの軽量化」でした。
この時期にスズキは50cc、125ccという軽量のカテゴリーにおいて優れた成績を残していましたが、こうした排気量が少ないバイクはとくに軽量化の影響がマシンの性能に大きく影響します。
なんとかレースで勝てるバイクを開発する、という目的のもとでスズキは軽量化を試みていたのですが、その手段のひとつとして鉄フレームからアルミ合金フレームへの切り替えがありました。
これは1965年のシーズンの50ccクラスで行われたもので、翌年には125ccクラスでも導入、結果的にこれがスズキの躍進をもたらすことになったのです。

ただ、当時としてはアルミ合金ということもあって、かなり技術的な困難が伴ったそうです。
その後、世界ロードレースGPから撤退なども経ながらも技術革新が進められ、その成果が1980年代の市販車へのアルミフレームの導入へと結びついていったことになります。