スズキの社章を作ったのは誰?

スズキと言えば「S」マーク
スズキと言えば、まず車のメーカーとして連想する方が多いかも知れません。
例えばインドでは、自動車市場の40パーセント以上を占める圧倒的な強さを持っています。
一方、バイクメーカーを連想する方も多いでしょう。
残念ながら2022年シーズンを最後にMotoGPから撤退してしまいましたが、これまでバイクのレースにおいて数多くの輝かしい成績を残してきました。
そして「ハヤブサ」「KATANA」に代表される多くのライダーたちに愛される名機を世に送り出し続けています。
そんなスズキのロゴマークと言えば、「S」マークです。
SUZUKIだから「S」という、非常にシンプルでそのまんまとも言えるロゴマークですが、これがじつにインパクト大で、バイクや車にこの「S」マークがあるだけでもSUZUKI製とわかります。
バイクや車に興味がある人なら「SUZUKIのどんなバイク/車なんだ?」と興味を持つことでしょう。
ただこの「S」マークは、創業当初から使われていたわけではありません。
何しろ2020年に創業100年を迎えた老舗メーカーで、しかも当初は織機メーカーとして歴史をスタートしたこともあり、創業当初のロゴはまったく違うものでした。
どんなものかというと、「SUZUKI」という単にアルファベットで綴ったものでした。
ただこの「アルファベッドで綴っただけ」なイメージは、現在でも「S」マークとともにバイクや車に使用される「SUZUKI」のマークで引き継がれていると言えるでしょう。
このSマーク、誰が作ったの?
では、現在のSマークになったのはいつ?ということになるわけですが、これは1958年の10月です。
すでに60年以上経過しているとはいえ、創業からSマークが採用されるまで40年近くの時間がかかっていたことになります。
なお、そのSマークが社章となった4年前に、商号をそれまでの「鈴木式織機株式会社」から「鈴木自動車工業株式会社」に変更しています。
つまり、それまでの織機メーカーから本格的に自動車メーカーとして事業を行っていくことになったのに合わせる形で、Sマークが社章として採用された形になります。
では、誰が作ったのでしょうか?
創業者である鈴木道雄氏が考えたのか、あるいはプロのデザイナーに依頼して作ってもらったのでしょうか?
じつは意外なことに、新しい社章を決めるうえで美術系の大学生たちから公募を行い、集められた候補の中から決められたものでした。
つまり「Sマークは誰が作ったの?」に対する答えは「美術系の大学生」ということになります。
この公募では300点以上の応募が集まり、そのなかから「Sマーク」が採用されたことになります。
自動車メーカーとして本格的な一歩を踏み出していく時期に、その象徴ともなる大事な社章を大学生に決めさせるあたり、スズキという企業の懐の深さのようなものも感じ取ることができるのではないでしょうか。