1974年モデルの「RE-5」の特徴

ロータリーエンジン搭載のRE-5
1974年に販売されたスズキのRE-5は、国内バイクで唯一ロータリーエンジンを搭載したモデルとして世を震撼させました。
ロータリーエンジンは今でこそ珍しいエンジンではありませんが、当時は革新的な技術を詰め込んだキングオブエンジンとして、多くのライダーやバイクメーカーに衝撃を与えたのです。
ロータリーエンジンは元々は国内ではなく、当時西ドイツにあったバンケル車が特許を取得していたエンジンになります。
今までのエンジンが1箇所からしか呼気を排出出来なかったことに対し、ロータリーエンジンでは3箇所の空間を作ったことで、呼気、圧縮・爆発、排気が可能に。
効率良く円運動を行えることで、加速力やパワーが安定しているにも関わらず振動が少ないという、エンジン業界に革新をもたらした逸品です。
そんな奇跡のエンジンを搭載したとありスズキは他メーカーからワンランク飛び越えた存在となることに。
こちらのエンジンは時代と共にオイルショックの影響などで衰退してしまったため定着はしませんでしたが、当時の衝撃は計り知れないものがあるでしょう。
RE-5はどんなバイク?
RE-5はロータリーエンジン搭載モデルとして全面的にロータリーの良さを打ち出すべく作られたモデルで、こだわりが凝縮されています。
エンジンの熱対策に重点を置くべく、水油冷方式の冷却式を採用。
エンジン周りに冷却対策パーツをふんだんに取り入れたことで、大型マシンと見間違えるような存在感のある作りとなっています。
革新的なエンジンを搭載するマシンとしてふさわしいクールなデザインにするべく、デザインはジウジアーロ氏によってスタイリング。
今までにない斬新なフォルムがよりクールさに拍車をかけ、正にスズキが誇る名バイクが誕生したと言えるでしょう。
ライダーの使い勝手を考えたメーター類もライダー心を惹き付けるポイントとなっています。
ギアポジションインジケーターに水温計が収納されたメーターボックスは、発光ダイオード表示で夜もぼんやりと光る仕組みに。
こちらはメインスイッチをオンにすることで開く仕組みで、非常にメカニカルな作りとなっています。
マイナーチェンジ後の人気
RE-5の初期型は非常に販売期間が短く、国内よりも海外向けとして販売されましたが、マイナーチェンジ後に日本でも後期型が発表されて当時のファンに衝撃を与えました。
基本スタンスはそこまで変わらないまま、メーターケースの形状を変えるなどした結果、国内でも見かけられることが増えたモデルです。
ただし基本は海外向けスタンスで作られていたということもあり、スズキバイクの中でも現在は比較的ニッチなバイクとして定着しています。