世界初の4速バイク「セルペット」

no image オフ 投稿者: SLlov7uk

セルペットはどんなバイク?

1960年に誕生したセルペットMA、通称セルペットは、世界初4速のロータリー式トランスミッションを搭載したモデルとして知られています。
1958年に誕生したホンダの人気バイク、スーパーカブを超すべく製造されたニューモデルで、当時のスズキの技術をタップリ詰め込んだ最新技術が瞬く間に浸透。
モダンクラシックなデザインも相まっておしゃれなバイクに乗りたいライダーからも人気を集めました。

見た目だけではなくその機能性もお墨付で、エンジンには2ストを採用。
セルモーターが搭載されていることもあり、加速力だけではなくパワーも申し分無い仕上がりとなっています。

高性能バイクとして世に発表されたこちらのバイクのエンジンは、後にスズキのレーシングの歴史を歩み始めるマン島TTレースで優勝を飾ったマシンの原動力となったほどです。
発売当時斬新なデザインと相まって注目を集め、スーパーカブ同様、時のバイクとして人気を集めることとなりました。

人気になった時期

発売当初からバイク業界に震撼を与え、ホンダスーパーカブと良い勝負をしていたスズキのセルペット。
その後も後継モデルが続々と誕生しましたが、最も人気が出たのは初代モデルとなりました。

その理由は斬新さの欠如と言われています。
次世代モデルとして誕生したセルペットM30はスーパーカブと同じようなスタイルとなってしまったことを皮切りに、ビジネスバイクがことごとく失速してしまうのです。
いずれも高い加速力やパワーを持っていることに変りはなかったのですが、初期モデルであるセルペットMAが良すぎたからこそ、自社バイクを越えるために瞑想してしまった所があるでしょう。

セルペットは派生バイク多数!

歴史的に見ると苦渋を飲まされたと言わざるを得ないセルペットですが、実は現在になってその良さが評価され始めており、当時のバイクを探すライダーが少なくありません。
セルペットはMD、80K10、50M30、バーディーと言った派生マシンが展開し、歴史に合わせた技術を詰め込んだバイクへと進化を遂げたのです。

セルペット50M30ではロータリー式トランスミッションをクラス初搭載しており、自動遠心クラッチを採用。
大きなショックをしっかりと防止する革新的な機能で、ライダーへの負担が少ない走りを可能としました。
更にタンクをシート下にしたことで乗心地がより快適となり、初心者ライダーでも走りやすい作りとなったのです。

このようにスズキのセルペットは非常にレベルが高いバイクが展開されていました。
タイミングや時代の流れもありあまり表立つことがなかった派生モデルも、現在となっては貴重なレアバイクになり、その価値が見直されています。