MotoGPの撤退へ

2022シーズンにおけるスズキの成績
スズキが2022シーズンをもったMoToGPからの撤退を発表し、国内のみならず世界中のバイク好きの間で大きな話題となりました。
モーターレースのファンはもちろんのこと、ライダーの間からも「なぜ?」という声が上がりました。
結果的に最終シーズンとなった2022シーズンでは、元ドゥカティ・ホンダのリビオ・スッポをチームマネージャーに招聘し、ライダーは前年と同じアレックス・リンス、ジョアン・ミルの体制で臨むことになりました。
チャンピオン争いに絡むことはできませんでしたが、第18戦のオーストラリアでリンスが優勝し、さらにシーズン最終戦となったバレンシアでもリンスが優勝することでまさに「有終の美」を飾ることに成功しました。
この最後の締めくくり方がドラマティックであったがために改めて「どうして撤退するのか?」との声が再燃することにもなりました。
スズキが撤退する理由は?
なお、スズキはMoToGPだけでなくEWC(世界耐久選手権)からも撤退しており、本格的なレース全般から遠ざかる形となっています。
スズキ側の理由として、脱炭素化をはじめとした環境問題を含めた技術開発(カーボンニュートラルなど)に労力を傾けるため、が挙げられています。
ただ、そもそもスズキがMoToGPからの撤退を発表したのが2022年の5月と、かなり唐突な形での発表であったことも大きな衝撃をもたらした理由でした。
本当に技術開発に注力するのが理由だったのなら、もっと早く発表してもよかったのでは?という疑問もついてまわります。
また、先述したEWCからの撤退発表では、現在の経済情勢と近年の自動車業界を踏まえたうえで自動車業界全体に大きな変化が求められており、その状況に対応するために資金や人材を注力する、といった理由が挙げられていました。
どちらかと言えば、こちらのほうが納得できるのではないでしょうか。
MoToGPの撤退に関してはスタッフにとっても寝耳に水の出来事で、2人のライダーも来季以降の契約更新の話が進んでいた、との話もあります。
会社の相談役の「鶴の一声」で撤退が決まった、との意見もあり、社内でも十分な準備が整っていない状況での「まず撤退の結論ありき」で話が進められていった可能性も考えられます。
ただ、スズキは過去にも2011年に一度撤退、2015年に復帰するなど「撤退→復帰」を繰り返してきた過去があるため、今回の撤退に関しても今後の自動車業界の状況に応じて復活する可能性もまだ残されていると考えることもできるでしょう。
撤退は残念ですが、多少の期待を持ちつつ今後のスズキの動向に注目したいところです。