グアテマラで独立進化した「GN125」

グアテマラで販売されているオリジナルのGN125
スズキは国内のみならず世界中で人気の高いバイクメーカーです。
その人気の理由は、ロードレース選手権で優勝するなどの実績があり、速く強いマシンを生み出しているからです。
しかし、スズキのシェアの高さの秘密はそれだけではないのです。
高性能なレーサー仕様のモデルは先進国のライダーなど、一部の人しか買えないものです。
しかし、新興国においてもスズキは圧倒的に人気を誇っています。
それは、それぞれの国や地域の事情に合わせたマシンセッティングや価格の設定を行っているからです。
こうした海外ならではのオリジナルモデルというのはいくつもありますが、その一つが中央アメリカに位置するグアテマラで販売されているGN125です。
このGN125は日本でも1999年まで長く販売された人気モデルで、小さめの125ccの2バルブ式のエンジンを搭載し、シンプルで無駄のないボディー構造をしたバイクです。
安定感の高いフロントが18インチで、リアが16インチのホイールを持っています。
大きめのシートで座りやすくズレが生じないことや、適度な高さと幅のハンドルで運転しやすいことなどが特徴です。
さらに経済性がとても良く、メンテナンスもしやすいマシンでした。
こうしたバランスの良さから、多くの教習所で教習バイクとして採用していた過去もあります。
グアテマラでどのような進化を遂げたのか
このGN125をベースにしながらも、グアテマラでは独自の進化を遂げ、多くの人の日常生活や仕事を支える重要なバイクとなっています。
その変化の一つとして注目できるのが、フロントの足回りです。
まず目につくのが、タイヤをブロックパターンとしてアウトドア仕様に変えているところです。
また、フロントフェンダーをオフロード用のものを付けていることや、それを大胆にカットしてフォークに取り付けているのも特徴です。
これは、街乗りとして国内では利用されることが多かったGN125を、悪路が多いグアテマラに合わせた結果です。
グアテマラは国土の一部が高地となっていて、かなりの山道を登ることも珍しくありません。
また道路事情が優れていないところも多いので、悪路を走破できる対応力は必須です。
さらに、雨季にはかなりの雨が降りますので、ぬかるみや泥道、水たまりなども安全に走行できないといけません。
こうしたことから、アウトドア仕様の変更が加えられているのです。
また、GN125は燃費が良いので経済的には豊かではない人でも乗り続けることができます。
壊れにくくメンテナンスがしやすいスズキのバイク、そしてパーツが手に入りやすい標準的なモデルということもあって、グアテマラの地ではすべての点でニーズを満たしてくれる一台となっているのです。